ホリデーパーティーの攻略法
「大事なのは泡」 ー プロの3人は口を揃えて、言います。新進ワイナリー「ピエール・エ・アントナン」の共同創業者、アントワン・ボネ氏は、自身の出身地である南フランスでは、ホリデーシーズンのパーティーはスパークリングワインで始まることが多いと言います。「私なら、クレマン・ド・リムーですね。モーザック種の爽やかなブリュット・ナチュールとか。あとは、ミネラル感と酸味のある地元産の微発泡ワイン「ペティアン・ナチュール」もいいですね。これに牡蠣を合わせます」
老舗シャンパーニュ・メゾン「ランソン」のマーケティング・広報責任者ジュリー・ルノー氏は、パーティー用にシャンパンを常に数本用意してあるそうです。ワイン・マーケティング会社「アロマ・ワイン・コンサルティング」のアンナ・ヴィドゥシッチ氏は、この時期は、クリスマスをテーマにしたアペロ(夕食前のアペリティフ)・パーティーを開くのが最適と言います。「とにかくシンプルに。そして冷蔵庫にはシャンパンをたくさん用意しておくこと!」
フランスらしさを加える
ホリデーシーズンは、美食や集まりを通じて、フランスのライフスタイルを見てもらうのにぴったりな時期だというのは、ルノー氏。「クリスマスや年末年始にお客様が来る時は、美しい花のリースや装飾品で、家を丁寧に飾ります。そして、テーブルセッティングを念入りにして、料理とワインの組み合わせを選びます」ルノー氏は、おもてなしと美味しい食事の先に、フランスのライフスタイルがあると強調しました。ヴィドゥシッチ氏は、お祭り気分とシンプルさが大事だと言います。「とにかく、ドレスアップしてください!」
揃えておきたいフランス食材
ボネ氏は、ホリデーシーズンは大西洋側オレロン産の牡蠣を取り寄せると言います。「地中海産のものよりも、身がしまっていて新鮮だからです」他にも、栗、セヴェンヌ産のシャンテレル茸、ラルザック産のトム・チーズ、サン・ネクテールチーズも欠かせないそうです。ヴィドゥシッチ氏は、ホリデーシーズンを祝う時は、フォアグラとキャビアをできるだけたくさん購入すると言います。
ルノー氏にとって、お祝いや楽しみにぴったりなワインはシャンパン。「私にとって、ホリデーシーズンに絶対に欠かせないのは,シャンパンです。シャンパンは人と人をつなげるワインです。アペリティフにもしっかりした食事にも合います」(ルノー氏)また、伝統的なクリスマス料理は胃に重めなので、シャンパンで爽やかさを演出すると、ゲストもより満足するといいます。
ゲストに喜ばれる料理
伝統的なフランス料理のおすすめは? ー ヴィドゥシッチ氏の一押しは、新鮮なハーブとバターをたっぷり使った前菜の定番、エスカルゴ。その後は、栗を詰めた七面鳥のロースト(ダンド・ド・ノエル)にポテトのソテーや、グラタン・ドフィノワーズを添えて。ボネ氏はさらに、栗とマッシュルームのスタッフィングだとなお良しといいます。七面鳥の代わりにホロホロ鳥などの小さめの家禽もしっとりして火を通しやすいと言います。「エビ料理なら、ニンニクを加えて、オレンジベースのリキュール(コアントローやスーズ)を回しかけてフランベすると、カリッと仕上がります」ボネ氏にとってはこれが「自分が思いつく中で一番フランスらしい料理」と考えています。
ボネ氏は、家族で料理をするなら、朝早くに始めるべきといいます。「下ごしらえと調理は、ディナーと同じぐらい大切です。みんなに準備に参加してもらうことで、満足感を味わえます。また、パーティーの前夜に地下のワインセラーに下りて、ペアリングについて何時間も議論するのもフランス人的です(笑)」(ボネ氏)
デザートと翌日
おすすめのデザートは? ー ヴィドゥシッチ氏は、「消化を助けるために」チーズボードとグリーンサラダ、そして伝統的なブッシュ・ド・ノエルを振る舞うことが多いといいます。「個人的には、アイスケーキのブッシュ・ド・ノエルの方が好みです」(ヴィドゥシッチ氏)ボネ氏も、スイーツの前にフランス風のチーズボードを出します。間に1時間ほどの間隔を空けて、プレゼントを開ける時間にあてるのがおすすめと言います。
ルノー氏にとっても、ホリデーシーズンの勝負デザートはブッシュ・ド・ノエルでした。特に、バニラとプラリネのアイスクリームを使ったものがおすすめで、「ランソン」のブラック・クレアシオン・キュヴェとよく合うそうです。クリスマスの翌日はどうしますか?――ボネ氏のおすすめは、ポーク・オ・キャラメルにアルザス産リースリングのペアリングのような、気楽でほっとする食事。そして、その後の1週間は野菜たっぷりのヘルシーなラタトゥイユを続けます。
大晦日はどんなパーティーが良いしょうか?――ルノー氏は、みんなが料理とワインを持ち寄るポットラック式を提案しています。「私はいつも、フランス産チーズボードと、フルーティーでミネラル感のあるシャンパン、例えばランソンの「ル・グリーン・ビオ・オーガニック」を持っていきます。シャンパンは何にでも合うので、クリスマスや年末年始の料理との相性もばっちりです。」(ルノー氏)
テイスト・フランス・マガジン編集部より――読者の皆様、今年のホリデーシーズンが、楽しく、健康的で美食にあふれたものとなりますように!
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