月曜日:アスパラガス
フランス産アスパラガス ほど春らしい食材はありません。ヌーヴェル・アキテーヌ地方のランド産 砂地栽培のアスパラガスから、ロワール渓谷やアルザス産のものまで、フランス全土でホワイトアスパラガス、グリーンアスパラガス、パープルアスパラガスが栽培されています。うま味やほのかな甘みが魅力のアスパラガスはビタミンも豊富で、卵からチーズまでさまざまな食材によく合います。
週の始まりには、簡単なグリーンアスパラガスのキッシュを作りましょう。2人の夕食にはもちろん、冷めても美味しいので翌日のお弁当にもどうぞ。倍量の材料で一度に2つ作り、余ったキッシュをカットして冷凍しておけば、忙しいときの手軽な食事にぴったりです。もう少し凝ったレシピをご希望なら、2色のアスパラガス、醤油漬け半熟卵添えをお試しください。この料理では、美味しいアスパラガスを余すところなく使い切るため、切り落とした硬い根元も歯触りの良いトッピングとして活用しています。
火曜日:ラム肉
春に味わう肉の代表格であり、イースターの定番でもあるフランス産ラム肉も旬のごちそう。中でも最高級とされるのが、プロヴァンスの南アルプスで飼育されたシストロン産ラム肉(IGP、ラベル・ルージュ)です。広大な牧草地で香りの良い野草を食べて育った仔羊の肉は、柔らかくジューシーで風味豊かなので、シェフの間でも人気があります。
肉料理を楽しむ夜や今シーズン最初のバーベキューには、こんがりとグリルしたラムチョップに勝るものはありません。もう一つのおすすめはプルドラム。数時間かけてゆっくりとローストすれば、これまでに食べたことがないほど柔らかくジューシーに仕上がります。週の初めに作っておけば、いろいろなアレンジが何日も楽しめます。ストリートフード風のラップにミントソースを添えても、米や豆類、穀類にロースト野菜を添えてヨーグルトをたっぷりかけ、ホットスパイスを散らした丼ものに加えてもよいでしょう。
水曜日:イチゴ
甘く香り高い、真っ赤なイチゴの季節が今年もやってきました。特に人気があるのが、IGP ニーム産イチゴです。オクシタニー地方で生産されるガリゲット種やシフロレット種のイチゴは、露地栽培の初物で、3月から店頭に並びます。柔らかく、やや酸味のあるガリゲット種に対して、シフロレット種はジューシーで果肉の甘みが強いのが特徴です。
そのまま食べても美味しいですが、スライスしてストロベリーチーズケーキに使うと、白と赤のコントラストが美しく、クリーミーな味わいのデザートになります。もう少し手軽で気の利いたレシピをお探しなら、赤ワインを使ったイチゴのジュビレ風をお試しください。これは、1800年代に名を馳せた現代フランス料理の父、オーギュスト・エスコフィエがヴィクトリア女王即位50周年の祝宴のために考案したとされる伝統的なデザート、チェリージュビレをアレンジしたレシピです。
木曜日:ゴートチーズ
春の食卓に欠かせないフランス産ゴートチーズは、産地のテロワールを体現する食材です。おすすめは、中心に麦わらを通した特徴的な形状で、フレッシュでクリーミーな味わいのAOP サントモール・ドゥ・トゥーレーヌ。アルプス種、ザーネン種、ポワテヴィン種の山羊の乳を使用して、サントル=ヴァル・ド・ロワール地方で生産されており、生で味わうのが最高です。チーズボードに全粒粉パンを添えても、フレッシュな春のサラダに散らしても、フランス南西部風サンドイッチにはさんでも、美味しく召し上がれます。キリッと冷やした白ワインを合わせてお楽しみください。
金曜日:帆立貝
週末が近づいて特別感のあるごちそうが食べたくなると、心惹かれるのが、うま味豊かなフランス産帆立貝です。ノルマンディーで水揚げされた帆立貝(ラベル・ルージュ)はまさに夢のような食材。加熱しても美味しいですが、生のまま薄切りにしてレモン汁とIGP ゲランド産フルール・ド・セルをかけたカルパッチョにしても、洗練された風味が楽しめます。殻つきで調理すれば、金曜夜の食卓でエレガントな存在感を発揮してくれます。
土曜日:アペリティフ
春の土曜日の夜、自宅に友人たちを招いてのんびり過ごすなら、よく冷やしたフランス産ロゼワインを開けましょう。ロワール渓谷のAOPカベルネ・ダンジュはまろやかな味わいと芳醇な香りが会話のきっかけにぴったりです。ワインのお伴には、厳選したフランス産のチーズやシャルキュトリーを盛り合わせたプレートを手早く用意しましょう。ソフトチーズの代表格であるAOP カマンベール・ド・ノルマンディーやジュラ山脈のふもとでつくられるフルーティーなAOP コンテに、ナッツのような風味があるジャンボン・ド・バイヨンヌ IGPのスライスを添え、なめらかなル・マン産リエットをたっぷり盛ってください。 手間をかけずに、最高に美味しい一皿ができあがります。
日曜日:ローストチキン
フランスでは日曜のランチといえば、ローストチキン。家族や友人と共に味わう、定番中の定番です。焼き方は家庭によって異なりますが、素材の味を生かしたシンプルな調理法をおすすめします。PGIとラベルルージュの認証を受けたランド産の平飼い鶏をニンニクや玉ねぎ、プロヴァンス・ハーブで風味付けすれば、誰もが満足する一品になります。広々とした松林でのびのびと育った平飼い鶏は、しっかりした食感と癖のない味わいが特徴です。
そして何よりのお楽しみは、残ったチキンのリメイク。翌日以降もシーザーサラダやフランスの恵みを詰め込んだカラフルなポケボウルで味わいましょう。お弁当に入れると、デスクで食べるいつものランチが、ちょっとしたごちそうになります。
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