フランス人が手早くランチを取るときは、厳選された具材を美味しいパンにはさんだシンプルなサンドイッチを好みます。これから開催されるテニスのトーナメントやサッカーの試合を観戦しながら食べるのにぴったりの「フランス風」レシピをご覧ください。

ハムサンドイッチ
働く人に食べてほしい一品。ローマの軍勢に屈しなかったガリアの小さな村のように、ハムサンドイッチは「ハンバーガー」の侵略に抵抗しています。フランスでは毎日何百万個も売れていますが、これにはもっともな理由があります。ハムサンドイッチなら、手軽に食欲を満たせるのです。皮がパリっとしたサワードゥバゲットを半分に切って、室温に戻したバターを塗り、ほど良い厚さにスライスしたハムをはさめば、その場でできあがり。ピクルスや自家製ペルシヤード(刻んだパセリとエシャロット、ヒマワリオイル、赤ワインビネガー少々を混ぜたもの)を添えてもよいでしょう。熱々でとろけるように柔らかい口当たりがお好みなら、邪道かもしれませんが、美味しいハム(とチーズ)をはさんだクロワッサンをどうぞ。フランスで最も有名なサンドイッチを最も有名なペストリーでアレンジしたものです。

© ©nito100.jpg
クロックムッシュ
(目玉焼きを乗せた)クロックマダムとともに、ビストロで手軽に食べられるホットサンドの代表格です。レシピは簡単ですが、どの手順も省略できません。必要な材料は、パン2枚、上質なハム、AOPコンテチーズ1枚、そして、自家製ベシャメルソースです。ベシャメルソース(2人分)を作るには、20gのバターを溶かし、15gの小麦粉を加えます。やや色づくまで炒めたら、ローレルとナツメグで風味付けした牛乳250CCを加えます。弱火にして、とろみがつくまで数分間かき混ぜてください。パンに具材をはさんで、おろしたコンテチーズをふりかけ、グリルでトーストしたら、できあがりです!ベシャメルソースの代わりに炒め玉ねぎ(オリーブオイルであめ色になるまで炒め、胡椒で味付けしたもの)、ハムとチーズの代わりにスライスした洋ナシとロックフォールチーズを使ってもよいでしょう。このクロックムッシュを三角形に切り、バターをひいたフライパンでこんがり焼くこともできます。

© ©Radvaner, Bernard
パンバーニャ
このサンドイッチはニース生まれ。かつては漁師や肉体労働者が朝食として食べていましたが、やがて南仏を代表する軽食になりました。ニース風サラダと同様に、本場のレシピで使用される具材には諸説あります。そこで、地中海をイメージしながら、自分だけのレシピを作ってみましょう。丸パンを半分に切り、中身を少しくりぬいて、オリーブオイルをたっぷり塗ります。これをオック語で「パンバーニャ」(浸したパン)といいます。このパンに太陽の光をたっぷり浴びた野菜をはさみましょう。ジューシーなトマト、皮をむいた小さな空豆、ベビーリーフ、スライスしたきゅうりやズッキーニ、シャキシャキのラディッシュなどがおすすめです。さらに、オイルを切ったアンチョビ、バジル、贅沢をするなら一本釣りのマグロ、半熟卵、オリーブなどを加えましょう。まさに南仏の味です。これで、スポーツ観戦のお伴が完成しました!

© ©Ekspansio
Contributor

エディター