フランスの食卓に欠かすことのできないチーズ。今日はこのおいしい食材の製造工程をご紹介します。今回訪ねるのはパリ市内から目と鼻の先にある乳製品の加工場。さあ、フランス流チーズの作り方を一緒に見学しましょう。

How to make cheese

ここはサン=トゥアン=シュル=セーヌ の乳製品加工場。パリ地域で評判のニューフェイスです。チーズを愛してやまないザヴィエ・ユゴル=ジェンティアルさんが創設したこの小さな会社では、工場から100キロ圏内の近隣地区で生産されたオーガニック牛乳を原料として使用し、伝統的な製法にこだわる手作りチーズを生産しています。

© Coline Benoist

タンクの牛乳があっという間に凝固

見学開始時刻の10時、ザヴィエさんが笑顔で迎えてくれました。いよいよチーズ製造の舞台裏へ。まずは靴を覆うカバーを装着し、手を洗います。ここからチーズづくりの魔法がスタート。10時半に牛乳が到着すると、これをタンクローリーから加工場の大型タンクに移します。この日届いた牛乳の量はなんと1200リットル!

牛乳本来の特性が保たれたこの生乳を31°Cの適温まで温めると、ユーゴーさんが加えた乳酸菌スターターが働いてチーズに独特の風味を与えます。
 

続いてきっちり計量したレンネットをタンクに投入。レンネットは牛乳の凝固というチーズ製造の大切な工程を担う酵素です。10分もすると牛乳が固まり始めました。ザヴィエさんはスタッフとともに手でテクスチャーを絶えずチェック、凝固の状態を確認します。牛乳が完全に固まるのに要する時間は1時間。

© Coline Benoist

チームワークが鍵

凝固を待つ間にマエヴァさんが型を組み立てます。サン=トゥアンの「クラコス」は、カマンベールにインスパイアされたチーズ。カードが焼きプリンくらいの硬さになったら、ロゼンさんがカット専用機を始動させて凝固した牛乳を四角くカットしていきます。

© Coline Benoist

続いて、サイフォン式の管からホエイを除去するためカードを休ませます。マエヴァさんとロゼンさんは協力してミキサーをセット。カードが分離した状態を保ち、硬くなるのを防ぎます。

次にカードを型に入れ、 何度かひっくり返しながら一晩かけて水切りします。

© Coline Benoist

翌日型から出したチーズに塩味をつけて網の上で休ませ、その後カーヴで熟成させます。「クラコス」の熟成期間は21日間。この間もチーズへの目配りを欠かさず、表面を洗ってひっくり返す作業が続きます。

© Coline Benoist

出来上がり

チーズが完成したら、マエヴァさんは販売に向けチーズを包装しラベルを貼ります。

サン=トゥアン=シュル=セーヌ の乳製品加工場で生まれた製品は、個性豊かで本格的な味わいを持つ手作りならではの逸品。原料のオーガニック牛乳が他では真似できない味わいを生み出しています。こうして確かなノウハウに裏打ちされ、心をこめて作られた出来立てほやほやのチーズが消費者のもとに届けられているのです。

毎週月曜日は、スタッフ全員でチーズを試食して熟成度合いを確かめる日。もちろん私たちも参加して、そのおいしさを存分に堪能させていただきました!

Fromaville(フロマヴィル):10 Rue des Bateliers, 93400 Saint-Ouen-sur-Seine, France

© Coline Benoist

> Interested to learn more about French cheese? Check out our Beginner's Guide To French Cheese!

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