マルタン一家は、10年前からアルデシュ県の農園で、春の料理の主役級の野菜であるアスパラガスを栽培しています。今回は農園を訪れ、この細長い美味しい野菜がどのように育つのかを見せてもらいました。

家族経営の農園
トゥルノン=シュル=ローヌは、フランス南東部・ドローム県とアルデシュ県の境界を流れるローヌ川沿いにある町です。ここにフレデリック・マルタンさんと妻のヴェロニクさんが営む直売農園があります。農園の本日のランチメニューは、自家製「カイエット」。豚ひき肉とチャードやパセリなどの野菜を混ぜた郷土料理です。使われている野菜は、すべてが農園の26ヘクタールの畑から収穫されたものです。2019年に息子のアントワンさんの発案で有機農法に切り替えました。 フレデリックさんは、「うちでは本当にたくさんの種類の野菜を作っているんですよ!」と言いながら、トゥルノン玉ねぎのコンポートをスプーンですくいました。この玉ねぎは地域の伝統品種ですが、現在ではマルタンさんしか生産していません。農園では、オカやチョロギ、ルバーブなどさまざまな野菜が育てられていますが、1ヘクタールはアスパラガスの栽培にあてられています。 今年は4月になるというのに、夜間の気温が低く、霜が降りる日もあり、生育状況があまり良くありません。

© ©Philippe Vaurès Santamaria.
果報は寝て待て
「アスパラガスの栽培は2011年から始めました。この野菜はローヌ川の沖積土を好みます。この農園はやせて水はけの良い砂質土壌であるため、垂直野菜に適しています」 砂質土壌は、冬が終わるとすぐに暖かくなります。「アスパラガスは、適切な天候条件の下では1日に15~20センチも伸びます。 アスパラガスは、成長が早いほど柔らかく育ちます。 ある程度の気温が保たれれば、さらに真っすぐ伸びていきます」 しかし、アスパラガスの栽培には辛抱強さが必要です。「最初の収穫まで3年はかかります。最初の年の2月15日から4月15日の間に、クラウン(根茎)を植えます。育苗会社が販売するアスパラガスの根茎は、食べる部分である穂先の下に長い根が何本も生えている形で、『クラウン』と呼ばれています」 根茎は少しずつ地面に根を下ろします。毎年、マルタンさんたちはアスパラガスの茎が長く育つよう、根を地表に広げて、上に土をかぶせています。穂先が約20センチになる3年目になって、ようやく食べられるようになります。

© ©Philippe Vaurès Santamaria
緑と白のアスパラガスの違いは?
アスパラガスの色、また味や歯ごたえは栽培方法によって決まります。「グリーンアスパラガスは繊細でハーブのような香りがします。地上で育ち、太陽の光を浴びて自然と緑色になります。4月から夏至にかけて成熟したら、よく切れるナイフで収穫します。ホワイトアスパラガスは、土をかぶせ、太陽を当てずに地中で育てることにより、グリーンアスパラガスよりも柔らかく甘くなります。収穫には『グージ』という細長い器具を使うことで、地中のアスパラガスをうまくカットすることができます」。 緑と白、どちらがお好みですか?
Les Légumes des Îles Feray(レ・レギューム・デ・イレ・フェレ)
9, chemin des Îles, 07300 Tournon-sur-Rhône
毎週金曜日8:30~17:30まで、野菜を直売しています。
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