ジュラ山脈のふもと、マルビュイッソンに着くと、モルトーソーセージについて詳しい話を聞くためにメゾン・グレサールに向かいました。モルトーソーセージは伝統的な製法でつくられた美味しいスモークソーセージで、フランシュ=コンテ地方の特産品です。

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スイスとの国境にほど近いフランス東部のオー=ドゥー地方にある古い農家には、今でも地元の典型的な建築様式である「チュエ」がよく見られます。これは、塩漬けにした肉を燻製にするために使われていた大きなピラミッド型の煙突で、高さは12~15メートルにも及び、フランシュ=コンテ地方の農家の母屋にそびえ立っていました。この伝統を受け継いでいる家庭はほとんどありませんが、食肉加工業者は今でも有名なモルトーソーセージをはじめとする地元の特産品を製造しています。

© ©Louis-Laurent Grandadam

伝統の味

モルトーソーセージの歴史は少なくとも16世紀までさかのぼります。当時、解体した豚の肉を保存するには燻製にするのが最善の方法でした。太さ、琥珀色、片側を閉じた木製の留め具、粗挽きのミンチ、そしてもちろん燻製の風味が特徴的なモルトーソーセージは、フランシュ=コンテ地方以外でも徐々に評判が高まりました。いまや、コンテなどのチーズと並んで、地元の特産品の代表格になっています。しかし、食肉加工業者が品質、本格的な味わい、地元の伝統を守るために一致団結するという先見の明を持っていなかったら、時代遅れのレシピ本に記された遠い記憶としてたやすく消えてしまっていたかもしれません。ちなみに、モルトーソーセージの生産地はジュラ県、ドゥー県、オート=ソーヌ県、テリトワール・ド・ベルフォール県に限定されています。

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栄えある認証

養豚業者、食肉処理業者、食肉加工業者が一丸となってモルトーソーセージの伝統を守り、2010年にIGP(地理的表示保護)の認証を取得し、厳しい基準を定めました。モルトーソーセージの製造業者の中には、IGPだけでなく、品質を保証する公式マーク「ラベル・ルージュ」まで取得しているところもあります。豚の餌からソーセージの製造、燻製時間まで、何事にも妥協はありません。この2つの認証は、最高品質の製品を守るための証です。

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今も受け継がれる職人技

現在、30社ほどの食肉加工業者が定期的に「モルトー」コンクールに参加しています。そのうちの一社が、オー=ドゥー地方マルビュイッソンにあるグレサール。村の中心部にそびえる同社のチュエはすぐに見つかります。3世代にわたってほとんど変わっていない製造工程はまさに職人技です。製造マネージャーのフロリアン・ロカテッリさんは、いくつか例を挙げながら説明してくれました。 「ラベル・ルージュ製品にはフランシュ=コンテ産の豚肉のみを使用しますが、IGPソーセージの原料は地元の農家からも仕入れています。他社では製造と燻製を同日に行っていますが、うちでは製造した2日後に燻製することにしています。そうすれば、燻製する前にソーセージの味を熟成する時間が取れます」 キャスター付きの棚に吊した豚肉が並ぶチュエでは、一部の業者が使用する燻製室より繊細な煙が均一に行き渡ります。この工程では、樹脂を含む木材の粗いおがくずを格子状になった床の下で燃やします。

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極上の美味しさ

美味しさを語りたいなら、ぜひ食べてみてください。グレサール社のモルトーソーセージは市場でも指折りの最高級品です。 「天然ケーシングに包まれたソーセージは、比較的柔らかいのに形を保ち、大切に育てられた豚肉の味わいと存在感があるのに強すぎないスモーキーな風味が絶妙なハーモニーを奏でます」おすすめの食べ方は?まずは、フランシュ=コンテ地方でIGP認証を受けた食肉加工品や塩漬け肉の伝統を守り、振興している団体の指示に従って、「皮に穴を開けずに43分茹でてから、温かいまま、もしくは冷まして食べる」とよいでしょう。モルトーソーセージは前菜やメインディッシュとして、たっぷりの野菜、特にジャガイモに合わせると、素朴な美味しさが味わえます。当然ながら、アルザス・ロレーヌ地方の伝統的なザワークラウトのレシピにもよく登場します。

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