11月の第3木曜日は、世界中のワイン愛好家が心待ちにする特別な日、ボジョレー・ヌーヴォーの解禁日です。ボジョレー・ヌーヴォーは、フランス・ブルゴーニュ地方ボジョレー地区産の赤ワインです。欧州、北米、アジアで広く楽しまれています。今回はその人気の秘密についてご紹介します。
ボジョレー・ヌーヴォーとは
ボジョレー・ヌーヴォーは、手摘みで収穫したガメイ種のブドウ100%で作られるAOCボジョレー産のフランス産赤ワインです。ボジョレー産の銘柄には価格帯の高い格上のワインもありますが、ボジョレー・ヌーヴォーは他にはない唯一性や手頃な価格で一躍有名になりました。
ボジョレー・ヌーヴォーは、「新酒」として知られ、収穫したその年に出荷される若いワインです。3~4日間と短期間の浸漬発酵で製造されるため、他の赤ワインよりもタンニンが少なく、フレッシュでフルーティーなワインとなります。現在、年間数百万本のボトルが生産され、その多くが日本やドイツ、米国へと出荷されています。
ボジョレー・ヌーヴォーの解禁日:伝統に裏打ちされたストーリー
ボジョレー・ヌーヴォーは、もともとブドウ農家で働く人々が収穫期の終わりを祝うための、どちらかというと安価で飲みやすいテーブルワインでした。その後、このワインはパリを中心に、フランス国内のカフェやレストランに出荷され、人気が出始めました。ブームに火が付いたのは1970年代で、実業家ジョルジュ・デュブッフの巧みな販売戦術によるものでした。デュブッフ氏は、11月にボジョレー・ヌーヴォーが出荷されると欧州各地、北米、アジアに大々的に宣伝。これにより、11月の第3木曜が世界的な一大イベント日となったのです。
世界中が祝うボジョレー・ヌーヴォーの解禁日
ボジョレー・ヌーヴォーはフランスの法令により、毎年11月の第3木曜日の午前0時1分にならないと販売できないと定められています。フランス本国では、各地でボジョレー・ヌーヴォーの解禁イベントが開催され、花火や音楽、ごちそう、そしてもちろんワインで盛り上がります!フランス国外でも、バーやレストランで特別なボトルがメニューに加わったり、ワインバーでボジョレー・ヌーヴォーの試飲イベントが行われたり。日本ではワイン風呂で解禁日を祝ったりもします!
ワインと食事:ボジョレー・ヌーヴォーと相性の良い料理
ボジョレー・ヌーヴォーは、キリッとした酸味で、みずみずしくフルーティーな香りで、どんな料理にもよく合います。みんなで気軽に楽しめるものとしては、風味豊かなチーズやシャルキュトリーボードがお薦めです。パテやソーセージに、ブリー・ド・モーやサヴォワ産ラクレットなどのクリーミーなソフトチーズを盛り合わせると、ボジョレーの爽やかな酸味とよく合います。
手の込んだ料理なら、コック・オ・ヴァンやクリーミーマッシュルームの卵ココット、牛フィレのグリル 南瓜のロースト添えなどが、11月の秋の味覚を使った、贅沢で満足感のある一品といえるでしょう。ボジョレー・ヌーヴォーはローストターキーやマッシュポテトとも相性がいいので、アメリカなら感謝祭の食卓に出すと良いかもしれません。
これで、ボジョレー・ヌーヴォーとその解禁日に関する知識は完璧ですね。それでは、カレンダーにお祝いの予定を入れておきましょう!解禁を待つ間も、フランスワインのめくるめく世界を引き続きお楽しみください。