日本では、クリスマスと言えば苺のショートケーキが人気。通年食べているのに、さらにクリスマスまで?と思いますが、ホールで丸ごと注文したショートケーキは白地に赤でクリスマスを連想させ、一層華やかに。最近ではパティシエが工夫を凝らしたブッシュ・ド・ノエルも人気です。ブッシュは、薪という意味で、ヨーロッパの人々が厳しい寒さをしのぐための暖をとるのに必要な薪を、クリスマスという特別な日に模してお菓子を作ることを思い着いたという説があります。
ブッシュ・ド・ノエルには伝統的にキノコを飾ります。キノコは繁殖力が強く、繁栄を表すと言われているからです。フランスの主な家庭では、クリスマスに、ブッシュ・ド・ノエルを注文して食べますが、地方によってはそれ以外の伝統的なクリスマスのお菓子があります。
たとえば、プロヴァンスでは、トレイズ・デセール(13のデザート)と言って、ポンプと呼ばれる大判のブリオッシュを中央に置き、その周りに、ヌガーやカリソン、生のぶどう、フルーツのコンフィ、プルーン、ナッツ類など12種類の南仏の特産品とともにいただきます。中央のポンプは、キリストを、その他はキリストの使徒を表すと言われています。
アルザス地方では、11月末からクリスマスマーケットが開かれ、ヘキセンハウスを作るスパイスクッキーから派生したパン・デピスや、ブレデレと呼ばれるプティ・フールが大人気!お店によってはその数80種類とか。パン・デピスはクリスマスツリーのオーナメントとしても使用されます。
また、12月6日は、サン・二コラ(聖ニコラウス)祭。サン・二コラは、貧しい姉妹の靴下に金塊を投げ込んだという伝説から、子供たちの守護神とされており、この日はパン・デピスなどのお菓子が子供たちにふるまわれます。金塊のこの話から、クリスマスの日にも同じようにプレゼントを靴や靴下に入れる習慣ができたと言われ、さらにサン・二コラはサンタクロースの前身という説もあります。