パリ発!フランス料理のトレンドを知る

Von Tsuyoshi Murakami

フランスでは、野菜だけのメイン料理が一つのトレンドになっています。BIO(オーガニック)に対する人々の意識も高く、ベジタリアンも増えています。私の店でも、常時メニューに載せています。

前田真

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Blanquette de légumes de saison et riz pilaf
野菜のクリーム煮とピラフ

野菜だけのメイン料理

10年前には考えられなかったことですが、今では、野菜だけで出来上がっているメインの一皿が珍しいものではなくなっています。野菜だけの料理は、どこの店でも取り組むようになっているのです。

季節によって使う野菜や料理は変わりますが、春先までは、マッシュルームのブイヨンを使ってアスパラガスやカブ、インゲンなどの野菜をクリーム煮にしたもの、仔牛のクリーム煮、ブラケット・ド・ヴォーのように米を添えて提供していました。パイ生地で器を作り、そこに根菜類を煮込んだものを盛って出したこともあります。寒い時期には煮込み用のカブなども出回りますので、それらも使います。

料理に使う野菜は、フランス産でしかもBIO、質の高いものを選びます。フランスの野菜は、加熱調理することで、よりおいしくなります。

日本の野菜は、生で食べてもおいしいんですが、フランスの野菜は、加熱して味わうべきものだといえるでしょう。じっくり火を通すことで甘味が増し、深みのある味わいになります。
店に来る前にいつもマルシェに寄ります。そこに並ぶ食材を見て、野菜も肉も、フランス産の質の高いものを探し、季節ごとによりおいしい野菜を選んで使います。

仔羊、牛、鶏など肉類も味が濃く、しっかりしています。鶏はブレス鶏を使っていますが、別格の味わいですよ。

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Pavé de maigre poêlé, consommé aux shiitakés, salsifis et fenouils
メーグル(白身の淡白な鯛のようなお魚)のポワレ、椎茸のコンソメ仕立て、西洋ごぼうとフェンネル

日本の食材を料理のアクセントに

日本の食材では、柚子胡椒をマグロのカルパッチョやタルタルのアクセントに使うことがあります。

自分で生の椎茸を干して、干し椎茸を作ります。そのブイヨンを魚料理に使っています。

醤油は使いませんね。醤油を使うと全体がその風味になってしまいます。

今は、梅干しが面白いかなと思っています。まだ試作をしている段階ですが、シャーベットにして魚料理に添えたり、マカロンにしてみたり。フランス料理は、酸味を上手に使う料理です。味にインパクトのある素材は、うまく使えば、驚くほどおいしいものになるのではないかと思っています。

フランスでは、発酵食品が注目されており、味噌を使うシェフもいます。チョコレートと味噌を組み合わせてタルトにしていました。
 

Aux 2 Saveurs(オ・ドゥ・サヴール)の店内と外観

前田真

スタートはスイス。
高校卒業後、焼肉店を営む父親の知人、スイスで寿司店を開いている人を頼ってスイスへ。寿司店で働きながら、彼の地でフランス料理に出会う。フランス料理は、複雑で、まるで魔法のような料理に思えて、そういうところに惹きつけられたという。
その後、一旦日本に帰り、札幌のフランス料理店などでフランス料理の基礎を学んでから再度スイスへ。そしてフランスで働くように。当初は、3年ぐらい修業したら日本に帰ろうと思っていたが、シェフとして店を任されるようになり、シェフを続ける中で、パリで自分の店を持とうと考えるようになった。2020年夏念願の自分の店をオープン。

Aux 2 Saveurs(オ・ドゥ・サヴール)
6 rue Emile Gilbert 75012 Paris
Tel:+33 (0)1 4606 4648
https://aux2saveurs.com/ja
 

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