フランスワインの専門家として知られるマスターソムリエのジャン=ミシェル・デュルック氏と、ワインの旅へと出掛けましょう。
初心者からワイン通まで、皆さんのさまざまな質問に答えて、ワインの世界の秘密を解き明かします。マスターソムリエのジャン=ミシェル・デュルック氏は、ワインのサブスク(定期便)を提供するル・プティ・バロン社の創業者です。今回は、フランスワインのサーブ方法、テイスティング、ペアリングについて、豊富な知識を伝授していただきます。
フランスワインのサーブとテイスティング
ワインをサーブする最適な温度は?
シャンパーニュなどの発泡ワインや、甘口ワインなら、8℃ぐらいを目安にしてください。 白ワインやロゼワインといったドライなワインなら、10~12℃が最適です。 軽めの赤ワインなら14~16℃、フルボディの赤なら18℃が飲み頃です。
18℃以上ではサーブしないでください。
どうしてワインをデキャンタに注ぐのですか?
ワインをデキャンタに注ぐことにより、口当たりがなめらかになります。特に若いワインには最適です。デキャンタに注ぐだけで、ワインを1~2年熟成させることができます。ただし、熟成期間の長いワインについては慎重に。とりあえずデキャンタに注げばよいというものではありません。
ワインのテイスティングに最適な方法は?
一日のうち、テイスティングに理想的なのは、しっかり休息を取った朝です。騒音や香水の匂いのない、静かで明るい場所を選んでください。
ワインと料理のペアリング
ロゼワインに合う料理は?
ロゼは、魚から肉まで多くの料理とよく合います。ロゼワインには豊かな歴史があります。最初はロゼか白ワインしかありませんでした。以前はロゼと言えば、赤ワインの品質に達しない原料で造られることも多く、あまり評判の良い飲み物ではありませんでした。現在では、フランスはAOPバンドールなどの素晴らしいロゼワインを生産しています。
料理にはどのワインを使うべき?
料理用のワインは、作る料理の酸味を考慮して選んでください。あまりたくさん使う必要はありません。消化を助ける程度の酸味を目安にしてください。
アペリティフにはどのワインを選ぶべき?
アペリティフには、最近は辛口の白ワインやロゼワインがはやっていますね。フィンガーフードやフランス風のチーズ&シャルキュトリー盛り合わせなどにもぴったり合います。個人的には、プロヴァンス産のロゼワインが醸し出す、海や太陽、ビーチの雰囲気が気に入っています。
魚介料理に一番合うワインは何ですか?
魚介類をグリルしたり、蒸したり、ボイルしたりする料理には、白ワインを選んでください。魚やエビのグリルには、ロゼワインが最適です。
肉料理に一番合うワインは?
赤ワインがぴったりですが、調理法にもよります。グリルやミディアム~レアの牛肉料理には、タンニンが豊富なフルボディの赤ワインが合います。ブフ・ブルギニョンなどのソース料理なら、フルボディでやや熟成したワインがよく合います。
チョコレートに合うワインは?
チョコレートには、バニュルスやラストー、リヴザルト、モーリなど、甘めで酸化熟成させた甘口の赤ワインが合います。
では…昆虫食に合うワインは?
昆虫食によく使われるスパイスをリフレッシュできる、酸味が強く飲みやすいワインを選びましょう。
ワインのテロワール
フランスの料理とワインのペアリングで、最も一般的なものは?
フランスワインは、その産地の郷土料理と完璧に合います。アルザスワインなら、 アルザス地方の郷土料理をよく引き立てますし、プロヴァンスのワインなら、プロヴァンスの郷土料理にぴったり合います。
シャルドネとミュスカデの違いは?
どちらもブルゴーニュ地方発祥のワインですが、それぞれブドウの品種が違います。シャルドネワインはマコネ地区で、 ミュスカデ(別名:ムロン・ド・ブルゴーニュ)は大西洋岸に近いロワール川流域で、非常に辛口のシンプルな白ワインを造っています。
ソムリエの仕事
ソムリエはどんな仕事?
ソムリエは、レストランにおけるワインのサービスを管理しています。
優秀なソムリエになるには?
第一にしらふでいることです!良いソムリエの資質は、誠実で情熱的であること、幅広いワインの知識を持っていることです。
なぜソムリエはワインを吐き出すの?
私は一年間に8,000~1万種類のワインをテイスティングしていますが、すべて飲み込むと飲み過ぎになってしまいます。ワインを吐き出すことにより、酔っていない状態でワインを評価することができます。
結局、フランスワインが世界一のワインなのですか?
最高のワインには、素晴らしい土地、ブドウ、気候、そして熟練したワイン製造者が必要です。フランスは幸運にも、この4条件を兼ね揃えていることが多い国です。
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