フランス沿岸に生息する頭足類のイカは、フランス沿岸で水揚げされます。
やわらかい身と繊細な磯の香りが愛されています。
知っておきたいこと
5億4000万年前に登場したイカは肉食性の頭足類で、その形は細長く、2つのエンペラ(ひれ)、8本の足、2つの長い触腕、“イカの骨”と呼ばれる非常に薄い甲を持っています。
フランス語の名前“カラマール”はイタリア語の“カラマーロ”から来たもので、その語源はラテン語でインクスタンドを意味する“カラマリウム”であり、頭部にあるスミ袋に由来します。
イカは外洋の浅瀬に生息しており、一般的に1歳を迎えたころ、産卵後に死んでしまいます。
漏斗状の曳き網で収穫することにより、傷をつけずに水揚げすることができます。
地中海では手網(たも)がまだ使用されています。
環境条件に非常に敏感で、水揚げ量は環境により大きく左右されます。
フランスで市場に出回るイカの体長は平均で10センチくらいですが、70センチくらいまで成長する個体もあります。
特筆するべきこと
視覚的に
細長い体は黒っぽい膜で覆われています。身は白く光沢があり、真珠のような色をしています。
味覚的に
マイルドな海の香りがし、身は柔らかです。
栄養面のメリット
脂質が非常に少なく、プロテインが豊富に含まれています。
ミネラル塩、ビタミンB12を筆頭にビタミンB群を補給できます。
編集後記
« フランス語ではカルマールもしくはカラマールと呼ばれますが、どちらも同じものを指します。ノルマンディーではアンコルネ、南東部ではシピロン、南部では小さいものをピストと呼びます。 »
利用方法
下ごしらえ
まず頭部を切り離します。
触腕の付け根あたりで切り、くちばしとスミ袋を取り除きましょう。
次に甲とワタ、エンペラと皮をゆっくりと引っ張って取り除き、流水できれいに洗いましょう。
たいてい、小さなイカは丸ごと、大きなものは下処理され、リング状にカットされて店頭に並んでいます。
とのペアリング
にんにく、パプリカ、エスプレット唐辛子、チョリソー、ピーマン。
ワインを合わせるなら、AOC コート・ド・プロヴァンス、AOC ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌ、AOC ジャニエールの白を。