Moules

ブショーのムール貝

Normandy
生産地
ノルマンディー

ブショーのムール貝は繊細かつねっとりとした肉質で、フランスの生産量の大部分を占めています。養殖は「ブショー」と呼ばれる木杭で行われ、EUのSTG(伝統的特産品保証)認定を受けています。

知っておきたいこと

何千もの数のブショー(養殖用木杭)を用いたムール貝の養殖は、ヨーロッパイガイ(Mytilus edulis)とムラサキイガイ Mytilus galloprovincial)の 2種類から始まりました。この2種は病気に強くこの養殖法に適していたため選ばれました。ムール貝の稚貝は春先に、シャラント川とロワール川の間で生まれます。水平に張ったロープに付着するムール貝の稚貝を採集し、6月~夏の終わりにかけてこのロープを「シャンティエ」と呼ばれる横木に設置します。稚貝はここで成長し、9月以降水底から30㎝以上の所でブショーにロープを巻き付けます。こうすることでムール貝を外敵から保護すると同時に、泥の味が付いてしまうのを防ぎます。またムール貝をカニから守るため、杭を「スカート」または「巻きスカート」のようなもので覆います。冬から春にかけてムール貝は成長を続け、その間ムール貝養殖業者は様子を監視し、付着した海藻を取り除いたり、外敵からムール貝を守ったりします。ブショーへの設置から1年後に、ムール貝は水陸両用船またはトラクターなど機械で収穫され、その後洗浄、選別、パック詰めがされます。

特筆するべきこと

視覚的に

視覚的に

小ぶりで身がよく入っており、クリーム色からオレンジがかった黄色。殻に寄生虫は付いていません。
味覚的に

味覚的に

ねっとりとした肉質で粉っぽさはなく、上品なヨードの風味。

栄養面のメリット

ムール貝はタンパク質を多く含み、脂質、糖質の含有量は共に低いです。またカルシウム、マグネシウム、鉄分、亜鉛、セレンの含有量が最も高い食品の一つでもあります。赤肉の3倍の鉄分の他、強力な抗酸化成分であるタウリンとシステインも含みます。

編集後記

« 言い伝えでは、遭難した一人のアイルランド人がシャラントの沿岸に漂着し、2本の杭の間に網を張り魚を捕ろうとしたところ、ムール貝の稚貝が引っ掛かり、杭の上でどんどん増えたそうです。そこでこのアイルランド人は自分の発明を「ブ・ショア」、「木の囲い」と名付け、そこから「ブショー」と言われるようになったということです。 »

利用方法

保存

ブショーのムール貝は、濡らした布巾に包み冷蔵庫の野菜室で購入後最大48時間の保存が可能です。生食の場合は購入当日に食べきりましょう。

お召し上がり方

一人当たり500gが適量です。殻に付いた汚れを落とし、飛び出した足糸を取り除き、砂を落とすためにブラシでこすります。加熱しても開かない貝は除きましょう。深鍋に入れ数分で火が通ります。鍋の半分までムール貝を入れ、よくかき混ぜることで均一に火が通ります。

味わい方

空のムール貝の殻を使って、つまむように身を外します。

とのペアリング

クリーム、白ワイン、エシャロット、カレー。

ワインを合わせるなら、ミュスカデ、シャブリ、アントル・ドゥー・メール、プイィ・フュメを。

 

テイストフランスマガジン発行のメルマガを読む

このフィールドにご記入
登録が確定しました