IGP マレンヌ=オレロンの牡蠣はフランス語で「クルーズ(Creuse)」と呼ばれるタイプのマガキす。塩田の跡地に整備された「クレール(Claire)」と呼ばれる粘土質の養殖池で育成されます。
知っておきたいこと
マレンヌ=オレロンはヨーロッパ最大のカキ養殖地で、その生産量はフランスの牡蠣生産量の半分にあたります。牡蠣の養殖は19世紀半ばに始まりました。フランス南部の塩田との競争により危機に瀕したこの地の塩田が、「クレール」と呼ばれる牡蠣の養殖池に整備されたことが発端です。この養殖池での繁殖と熟成が IGP マレンヌ=オレロン の牡蠣を特別なものにしています。この養殖池は元々塩性湿地で、潮の満ち引きで淡水と海水が混じり合う粘土質の浅い池になっています。牡蠣の餌となる植物プランクトンが、ここで急速に発生します。特に、微細藻類であるブルーフネケイソウが、IGP マレンヌ=オレロンの牡蠣に緑の色合いと独特の味を与えます。
IGP マレンヌ=オレロンのカキには、フィーヌ・ド・クレール(fine de claire)、スペシャル・クレール(spéciale claire)、フィーヌ・ド・クレール・ヴェルト(fine de claire verte)、プス・アン・クレール(pousse en claire)の4種類があります。なかでも、フィーヌ・ド・クレール・ヴェルトとプス・アン・クレールは、フランスの牡蠣で唯一ラベル・ルージュを取得しています。
フィーヌ・ド・クレールは、養殖池で28日間熟成されます。それほど肉厚ではなく、バランスの取れた味わいです。
スペシャル・ドゥ・クレールは、より大きなサイズで形が均一です。養殖池で数週間熟成されます。フィーヌ・ド・クレールより肉厚です。
フィーヌ・ド・クレール・ヴェルトは、 1989年、ラベル・ルージュを獲得した最初の海産物で、質は格上です。殻が丸みを帯びていて、鮮やかな緑色をしていることが条件です。あまり肉厚ではありません。
プス・アン・クレールもラベル・ルージュを取得しており、IGP マレンヌ=オレロン産牡蠣の最高峰とされています。他の種類が熟成期だけを養殖池で過ごすのに比べ、この種類は成長期から養殖池で過ごします。牡蠣は養殖池で4ヶ月から8ヶ月の間、非常に密度の低い環境で(他の種類が20個/ m2なのに対し、最大2~5個/ m2)育てられます。肉質がよく、テロワールの味が顕著で、口中に余韻が長く残るのが特徴です。
特筆するべきこと
視覚的に
味覚的に
栄養面のメリット
牡蠣はもともと脂質が少なく、質の高いタンパク質が豊富です。低コレステロールの食品です(肉の3〜4分の1)。また、リンとカルシウム、および亜鉛、セレン、銅などの微量元素も含みます。ミネラル損失を補うことができることから、アスリートに特に推奨されます。
編集後記
利用方法
保存・お召し上がり方・味わい方
保存:成長期や仕上げ期に養殖場で過ごした牡蠣は、殻が厚いのでより保存がききます。5〜15°Cの温度で1週間ほど保存できます。光を避け冷蔵庫の野菜室にケースのまま保存してください。
お召し上がり方:牡蠣には0から5までの等級があります。5が最小で、0が最大です。大抵の牡蠣は、3と4です。殻は食べる直前に開けます。先の尖った短いナイフを殻の3分の2の部分に、平らな面から挿入します。殻を開けたら、中の水がこぼれないよう平らに置きます。 海藻や粗塩で固定するか、専用のオイスタープレートに並べます。中の水がなくなっている牡蠣や、外套膜をナイフの先でつついた時に反応しない牡蠣は取り除きます。
味わい方:マレンヌ・オレロンIGPの牡蠣は生のまま、バターを塗ったライ麦パンにのせてどうぞ。エシャロットビネガーを添えると最高です。胡椒をひとふりしても、味がひきたちます。グリルや、オーブン、フライなど、さっと火を通しても美味しく召し上がれます。
とのペアリング
ワイン:ミュスカデ、シャブリ、アントル・ドゥ・メール、プイイ・フュメ、シャンパン