フランスの9つの伝統的なワイン産地を発見する

フランス人にとって、ワインは場所で定義するもの。ワインを知るには、まずは産地から。次にブドウ畑に焦点を絞ります。フランスのように国土が広大で多様な国では、選択肢はほぼ無限と言えますが、だからこそ楽しさが生まれるのです。フランス・ワインにはそれぞれ個性があり、フランスの産地と同じように、食卓での位置づけも異なります。

Vignobles du Beaujolais

この記事の中に

アルザス

ヴォージュ山脈とライン川に挟まれたフランス北東部のこの産地は、華やかな単一品種の白ワインの中心地です。リースリング、ゲヴュルツトラミネール、ピノ・グリ、シルヴァーナー、マスカットから造られ、辛口から甘口までカバーします。

 

例:メゾン・トリンバック(リースリング)、ファミーユ・ヒューゲル(ゲヴュルツトラミネール)、ドメーヌ・ツィント・フンブレヒト、ドメーヌ・ヴァインバック、ドメーヌ・マルセル・ダイス

ボジョレー

ガメイは、ブルゴーニュのすぐ南に位置するボジョレー地区で愛されているブドウで、フルーティーで気取らず、明るい酸味がありタンニンが少なく、料理にとても合わせやすい赤ワインが造られます。もっと真面目なものは、北部の丘陵地帯にある10の指定されたクリュで造られています。

 

例:シャトー・ティヴァン(コート・ド・ブルイィ)、ドメーヌ・デュ・ヴィスー(フルーリー)、ドメーヌ・ジャン・フォワイヤール、ドメーヌ・マルセル・ラピエール

ボルドー

フランス最大のワイン産地は、地球上で最も有名な(そして模倣された)赤ワインのブレンドの本拠地です。ガロンヌ川の左岸ではカベルネ・ソーヴィニヨンが、右岸ではメルローが主役です。地元の白ワインには、極甘口のバルサックやソーテルヌがあります。

 

例:シャトー・マルゴー、シャトー・ペトリュス、シャトー・ラトゥール、シャトー・ラフィット・ロートシルト、シャトー・ディケム(ソーテルヌ)

ブルゴーニュ

600年以上にわたり、ブルゴーニュのブドウ畑(と400種類の土壌)の隅々まで、審査と評価が行われています。ここがテロワールの概念の発祥地であることも不思議ではありません。また、ピノ・ノワールとシャルドネの産地でもあり、世界の基準となるワインがここで造られています。

 

例:ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ、ジョセフ・ドルーアン(モンラッシェ)、クロ・ド・ヴージョ、ドメーヌ・ルフレーヴ

シャンパーニュ

シャンパーニュの冷涼な白亜の丘陵地帯は、シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエからスパークリング・ワインを造るのに理想的です(単一品種とブレンドを問わず)。古くから伝わる製法は時間と手間がかかりますが、その結果は素晴らしいものです。

 

例:モエ・エ・シャンドン、ドン・ペリニヨン、ヴーヴ・クリコ、クリュッグ、ボランジェ、ルイナール

© ©Tristan Gassert

ラングドック

現代のワイン生産者たちは、暑くまぶしい地中海の太陽の下でブドウの木がすくすくと育つ、偉大な南フランスでの実験を楽しんでいます。ブドウが熟していることは当然であり、それに伴う洗練された技術とその土地の真の表現を見つけることを目標としています。

 

例:ジェラール・ベルトラン(シガリュス)、マス・ド・ドマ・ガサック、ドメーヌ・ド・ラ・グランジュ・デ・ペール、ドメーヌ・ドーピアック

ロワール渓谷

オーヴェルニュから「フランスの庭」を通り、大西洋まで曲がりくねって続くロワール川は、シュナン・ブラン、ソーヴィニヨン・ブラン、ミュスカデが幅を利かせる、歴史あるワイン産地をいくつも通っています。カベルネ・フランからは軽くてピリッとしたおいしい赤ワインができます。

 

例:ドメーヌ・ユエ(ヴーヴレイ)、ドメーヌ・ヴァシュロン(サンセール)、シャトー・ド・シャンボール、ドメーヌ・デ・ロッシュ・ヌーヴ

プロヴァンス

フランス最古のワイン産地(2,600年以上続く)は、ロゼを専門とする唯一の産地でもあります。パステルカラーの辛口でさわやかなワインはミネラルの風味があり、のんびりと太陽の光を浴びるプロヴァンスのライフ・スタイルにぴったりです。

 

例:シャトー・デスクラン(天使のささやき)、ドメーヌ・タンピエ(バンドール・ロゼ)、シャトー・ド・ベルヌ、ドメーヌ・オット、ミラヴァル

© ©Louis-Laurent Grandadam

ローヌ渓谷

シラーとヴィオニエは北部の谷の王と女王ですが、ローヌ・ワインの95パーセントは南部で生産されており、グルナッシュ、シラー、ムールヴェードルは地中海性気候を享受しています。ブレンドすることで、リッチでボリュームのある赤ワインや、しっかりとした白ワインやロゼ・ワインが生まれます。

 

例:E.ギガル(コート・ロティ)、シャトー・ド・ボーカステル(シャトーヌフ・デュ・パプ)、ドメーヌ・ジャン・ルイ・シャーヴ、ドメーヌ・デュ・ヴュー・テレグラフ、シャトー・ラヤス

Food & Drink Canada - Autumn 2022

テイストフランスマガジン発行のメルマガを読む

このフィールドにご記入
登録が確定しました