日本の旬を、フランスワインと<8月>

Par 山本 真紀

<8月>花火を眺めつつシャリシャリ 甘口ワインのかき氷

August French wines and seasons in Japan

ひと夏のうち、一度は目にしておきたいのが花火。川岸や海辺で開催される花火大会へ出かけるもよし、ポーチやベランダでの手持ち花火もよし。花火のお供として、まだ昼間の暑さが残る熱帯夜にピッタリなかき氷をご提案します。
 

甘口ワインでオトナのかき氷が完成
気温も湿度も高い日に外出した後は、キンキンに冷えた飲み物で乾杯したくなります。ビール、白ワイン、スパークリングワインは夏の定番としてすぐ思い浮かぶけれど、はてさて、甘口ワインはアリ?……もちろん、アリに決まっています! 冷めた~い甘口ワインは、暑さで疲れた体にジンワリ染み渡りますし、なによりかき氷にかけていただくのが最高なんです。甘口ワインを飲みなれない方でも、かき氷スタイルなら削った氷でワインの甘味が穏やかになり、すんなり食べられるんですよ。
 

南仏産バニュルスがオススメの理由
フランスには、甘口ワインの名産地が随所にあります。貴腐菌によって水分の抜けたブドウを使った糖度の高い貴腐ワイン、収穫を遅らせ過熟させたブドウを用いるヴァンダンジュ・タルディブ(遅摘み)、醗酵時にブランデーを加えてブドウの甘味を残すヴァン・ドゥ・ナチュレルなど、手法もいろいろです。たとえば「バニュルス」の赤ワインは、しっかり熟したブドウを使った天然甘口ワイン。温暖なルーション地区で育ったブドウが持つ豊かな甘味と果皮の渋みが溶け合い、長い余韻が魅力です。こちらを削った氷の上からかけると、味わいバランスはそのまま、「シャリシャリとワインを食べる」感覚に。上にマンゴーなど南国フルーツをのせると、華やかな風味がプラスされ、見た目も楽しくなります。
 

屋外イベントはかき氷でクールダウン
花火鑑賞のために屋外へ出ると、暑さをしのぐべく冷たいドリンクをゴクゴクと飲みがちです。いっぽう甘口ワインのかき氷なら、花火を眺めつつゆっくりスプーンで食べ進めますから、飲み過ぎ防止にも効果的なんです。最近は節電が推奨され、多くのエアコンがやや高めの温度に設定されているので、このかき氷は屋内でも活躍。ホームパーティなら、かき氷器を各自がまわし、好きな量のワインをかけて自分だけのかき氷を作るなんてミニイベントも、大いに盛り上がりますよ。今年から「甘口ワインのかき氷、始めました」を合言葉に、猛暑を乗り切りましょう!
 

Contributeur

MakiYamamoto
山本 真紀

ワインライター

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