赤、白辛口、半甘口)のAOC グラーヴのワインは、その上品な味わいで有名です。その特質は、砂利質(グラーヴ)からなる土壌によるもので、またブドウ畑の名前はそれに由来しています。

知っておきたいこと

ボルドー地方最古のブドウ畑とされるグラーヴは主にイギリス人によって発展しました。1152年に執り行われた、後のイングランド王ヘンリー2世とアリエノール・ダキテーヌの婚礼により、ボルドーとロンドンとの交易が強化されました。ボルドーのロゼワインは当時「クラレット」と呼ばれ、そのフレッシュで溌剌とした味わいによりたちまち大成功を収め、大量に輸出されました。次第に有名なドメーヌが形成され始め、高品質なワインが生産され、18世紀末にはフランス、イギリスそしてヨーロッパ北部の市場をグラーヴワインが席巻しました。1937年にAOCに認定されましたが、19世紀の病害と1956年冬の霜の被害とによりブドウ畑は大打撃を受け、経済的再生を遂げたのはようやく1970年代に入ってからのことでした。

この地区の名前は、痩せた水はけのよい地面の上に広がるグラーヴ(砂礫)と呼ばれる砂利でできた土壌に由来します。この砂利が太陽の光を反射し、ブドウの木にその熱を伝えることでブドウが成熟します。海洋の影響を受け、気候は穏やかで温暖です。この産地でグラーヴ赤ワイン、白ワイン(辛口)、そしてモワルー(半甘口)またはリカルー(甘口)の白ワインであるグラーヴ・シュペリュールが造られます。 赤ワインは主にメルロー種にカベルネ・フランやカベルネ・ソーヴィニョンを加えて造られます。白ワインはセミヨンが主要品種で、ソーヴィニョンを加え、またグラーヴ・シュペリュールにはミュスカデル加えます。このグラーヴ・シュペリュールの呼称を得るには、選別された過熟ブドウから造られることが必要です。

特筆するべきこと

香り

香り

赤ワイン:特徴的なスモークの香りを持つスミレの他、赤色の果実、スパイス、モカ(コーヒー)の香り。 白ワイン:グレープフルーツ、パッションフルーツ、白い花、蜜蝋の香り。 グラーヴ・シュペリュール:柑橘系、柑橘系の皮のコンフィ(砂糖漬け)、桃。
視覚的に

視覚的に

ルビーと赤紫色の中間の濃い色。 白ワイン:ライトゴールドにグリーンの光沢、またはライトイエローにゴールドの光沢。
味覚的に

味覚的に

赤ワイン:柔らかく芳醇、桑の実のアロマ。力強さとまろやかさのバランスの良いワインです。 白ワイン:力強く、まろやかで生き生きとした味わいです。 グラーヴ・シュペリュール:まろやかで濃密、軽やかな酸味とフレッシュな後味によるバランスの良い甘みを感じます。

編集後記

« 1855年のグラン・クリュ格付けの際、グラーヴワインとしてはシャトー・オー・ブリオンの1種類しか入っていませんでした。グラーヴ地区のアペラシオン(呼称)保護組合の要請を受けて、INAO(国立原産地名称研究所)は1953年に格付けの見直しを行い、16のクリュが認定され、これらがさらに1987年、AOC ペサック・レオニャンとしての認定を受けました。 »

利用方法

保存・お召し上がり方・味わい方

保存

赤ワイン:5~15年

白ワイン:1~5年

グラーヴ・シュペリュール:2~5年

 

お召し上がり方

赤ワイン:15~17℃

白ワイン、グラーヴ・シュペリュール:9~12℃

 

味わい方

バルーングラスで。

とのペアリング

塩味のものと:赤ワイン赤肉、狩猟鳥、ポルチーニ茸、鴨肉、子羊肉

白ワインエスカルゴのペルシャ―ドソース和え、クリームソースベースの白身肉、ホタテ貝、ムール貝。

グラーヴ・シュペリュールフォアグラ、甘辛い料理。

テイストフランスマガジン発行のメルマガを読む

このフィールドにご記入
登録が確定しました