フランス南西部、アジャン地方の特産品。2002年にはIGP(地理的表示保護)認証を取得、栄養価もお墨付きです。そのまま食べても、また様々な料理やお菓子の材料としても大活躍の、季節を問わず楽しめるドライフルーツです。
知っておきたいこと
中国からシルクロードを経てシリアに伝えられたプルーンはその後ガリア人が栽培し、ローマ人によって広められました。12世紀になると、ダムソン種がアジャンとその周辺で多く栽培されるようになります。ここで修道士が接ぎ木により改良した新たなプルーンの木はアント(Ente)と名付けられました(「接ぎ木する」を意味する古フランス語「enter」に由来)。
乾燥させてボルドーまで船で運ばれたその実は出発港の名前「アジャン」が刻印された袋に詰めて管され、そこから「アジャン」産プルーンの名が定着します。2002年にはアジャン産プルーンの長い歴史にIGP認証取得という大きな1ページが加わりました。IGPの定めに則り、フランス南西部の6県で栽培、収穫、乾燥、加工、包装されたアント種のプルーンのみが「アジャン産プルーン」を名乗ることができます。
これに加え、夏の終わりに完熟した実を選定し、洗浄、選別、サイズ分類の後、厳格な管理のもと水分含有率が30~35%になるまで約75℃で20~24時間かけて脱水しなければなりません。さらに検査、選別、保管の各工程を経て、再加水したプルーンとミキュイ(半生)が出来上がります。「大」(500 gあたり55~66個)から「特大」(500 gあたり約33個)まで様々なサイズがあります。
特筆するべきこと
視覚的に
触覚的に
味覚的に
栄養面のメリット
数え切れないほどのメリットが!小腹が空いた時にはもちろん、豊富に含まれるカリウムと銅が脳を刺激し、神経系の機能を高めます。ビタミンB6は疲労回復にも効果大。水溶性食物繊維に富み、便通を改善します。さらに糖質はスポーツなどに必要なエネルギー。まさに最高の健康食品です!
編集後記
利用方法
保存
開封前なら常温で数ヵ月間保存可能。開封後は密閉容器に移し替え、冷蔵庫で数日間保存できます。
下準備
基本的に水で戻す必要はありませんが、時間が経ったものは水(スパイス入りの水でも)や紅茶に数分間浸して柔らかくすると美味しく召し上がれます。
用途
前菜からメイン、デザートまで、どんな料理にも大活躍!例えばウサギのテリーヌやベーコン巻き、フレッシュなシェーヴルチーズと合わせて、さらにはファルシにしたり仔羊の肩肉と煮込んだり……そして真打ちはファー・ブルトン(クラフティに似たブルターニュ地方の伝統菓子)で決まり!
とのペアリング
アーモンドやローストポークのフィレミニョン、ロックフォールと合わせて。
ワインはコルビエールやバンドールの赤を。