日本の旬を、フランスワインと<9月>

By 山本 真紀

9月はサンマ塩焼にひと工夫、
ワインはロワールの赤!

September French wines and season in Japan

秋めいた食材がぐんと増えてくる9月は、魚売り場でサンマが一段と輝いて見えるものです。サンマ料理の定番は塩焼ですが、さらに赤ワインと合う1品へと変身させる小技をご紹介しましょう。
 

旬のサンマをワインのお供に
太平洋をぐるぐると泳ぎ回り、秋になると日本近海へ移動するサンマ。9月頃にはちょうど脂がのり、昔から秋の味覚の代表格とされてきたのはご存じの通りです。9月下旬の秋分の日には日本各地でサンマ祭りが開催されるほど、日本人にはお馴染みの魚ですよね。軽く塩を振ってグリルするだけでメイン料理に。白いご飯が進むのはもちろん、ワインのお供としても最高なのです。では、サンマの塩焼にはどんなワインが合うと思いますか? 「肉には赤ワイン、魚には白ワイン」なんてフレーズがありますが、サンマの塩焼の場合、アレンジ次第で白にもロゼにも赤にも合わせることができるのです。
 

+柚子なら白、+バジルならロゼ
塩焼に柚子を絞ってシンプルに味わうなら、同じ柑橘のフレーバーを持った辛口白ワインがピッタリ。バジルペーストを塗って焼いた場合は、果実味のあるフレッシュなロゼワインもいいですね。そして、マスタード風味にするなら、今度は軽めの赤ワインが合いますよ。サンマに軽く塩を振った後、粒入りのディジョン・マスタードを片面にたっぷりと塗り、塗った面を上にしたままグリルで焼いて完成です。サンマの脂が持つ旨味、青魚特有の香りや鉄っぽい味わいに、火が入って和らいだマスタードのスパイシーさがふんわりと加わり、複雑味がアップします。
 

+マスタードには軽い赤「シノン」
マスタード焼のサンマと合う赤ワインの条件は、魚の生臭さを抑えるための酸味と渋味をほどよく持っていること。とはいえ、サンマの旨味を隠してしまうほど重厚なタンニンは厳禁です。そこでオススメなのが、ロワール地方の赤ワイン、シノン。カベルネ・フラン主体のシノンは、その多くが渋みの穏やかなミディアムボディに仕上げられています。なお、いつもの赤ワインよりさらに冷やし気味にしておくと、スルっとした喉ごしとなって飲み疲れしにくくなりますよ。今秋は、飲むワインやお好みに合わせ、サンマの塩焼アレンジに挑戦してみては。
 

Contributor

MakiYamamoto
山本 真紀

ワインライター

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