2月はミュルーズでカーニバル ワインと肉じゃがで温まろう

By 山本 真紀

ミュルーズは、スイスに近いアルザス地方の都市。毎年2月(暦によっては3月)になると、フランスのを代表する大きなカーニバルが3日間に渡って開催されます。仮装した人たちが管楽器や打楽器を演奏しながら練り歩く、まさに正統派パレード。華やかな光景を間近で鑑賞しようとヨーロッパ中から観光客がやってきて、町は大賑わいです。春への扉をいきおいよく開けてくれるミュルーズの祭りにちなみ、2月はご当地の美酒と美食を日本でも楽しんでみませんか。

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山車と楽団で賑わうレード

ミュルーズのカーニバルは、金曜の夜にスタートし、日曜の夜まで続きます。大勢の人たちがグループごとに中世の衣装や仮面姿でファッションを統一し、山車とともに練り歩くさまは圧巻。夜になるとレストランやバーでライブが催され、またカーニバルの顔となる女王や王子がコンテスト方式で選出されるのも毎年のお約束です。とはいえ、ミュルーズの魅力はカーニバルだけでは終わりません。ロマネスク様式、ゴシック様式、ルネッサンス様式と時代によって変遷したスタイルを今に残すサン・ティチェンヌ寺院をはじめ、市立浴場や旧市庁舎など見どころいっぱいの観光都市。さらにアルザス地方の料理も、観光客のお目当てのひとつです。ドイツとスイスに接している地方ですから、食文化はほかのフランス料理と比べると少しエキゾチック。キャベツを醗酵させた「シュークルート」、表面が香ばしいパンの「ブレッツェル」といったアルザス料理は、ドイツ風味が強めですね。

ところが、アルザスを代表する料理のひとつ「ベックオフ(ベッコフ)」になると、日本人にはなぜか懐かしく感じられるという不思議!

なぜならコレ、ようは肉じゃがなのです。材料は肉、にんじん、玉ねぎ、じゃがいもなど。ただし、日本の肉じゃがとの大きな違いが2つあります。ひとつは、牛肉、豚肉、仔羊肉と、肉の種類を複数混ぜて使うこと。もうひとつは、出汁の代わりにアルザスワインを注いで煮込むこと、です。

パン屋で肉じゃが調理?

ベックオフとは、「パン屋のかまど」の意味。その昔、アルザスのマダムたちはそれぞれベックオフ用の大きな鍋に食材を入れてパン屋へ持っていき、パンを焼いた後のかまどに入れてもらったのだそう。高温の余熱が残るかまどでゆっくり煮込まれたベックオフは、寒い冬に欠かせない鍋料理です。

今の時代になると、フランスでもさすがにパン屋で調理をお願いするわけにはいきませんし、自宅でオーブンを使うにしてにも、光熱費が少々心配……と、そこでオススメなのがスープジャー。保温や保冷効果を持つスープジャーは、弁当用に重宝するだけでなく、時短&光熱費節約にも貢献してくれる優れモノです。スープジャーの中身を事前に温めておき、カレー用の牛スネ肉や豚肉のコマ切れなどを野菜と一緒にひと煮立ち。そうして、具材すべてに火の通ったアツアツの肉じゃがをスープジャーにIN。保温効果の高いスープジャーなら、じっくり煮込んだときと同じくらい旨味が全体にまわるはずです。アルザス風の肉じゃがは、アルザスワインの軽快な酸味が肉の臭みを消し、後味サッパリ。当然、料理に使ったアルザスワインは飲み物としても相性文句ナシです。2月や3月はまだまだ肌寒いけれど、天気のいい昼間には、しっかり着こんで公園やベランダでピクニック。そんなとき、スープジャーからアルザス風肉じゃがをハフハフと食べ、アルザスワインで乾杯するのは最高の気分転換になりますよ。

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●アルザス風肉じゃがのほか、アルザスワインと一緒に試してほしいレシピはこちら!↓

Contributor

MakiYamamoto
山本 真紀

ワインライター

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