12月はコルシカ島で農業フェア開催 名物のマロンに地元ワインを
コルシカ島は自然豊かで、チーズやハムのほか農作物が豊富に揃うグルメ・スポット。毎年12月には3日間に渡って農業フェアが開催され、コルシカの名産品が一堂に会します。地中海を代表するリゾート地として知られているため、バカンス・シーズンの夏はフランス内外から観光客がどっと押し寄せますが、じつは12月にもグルメな人々が集まり盛り上がるのです。とくに栗が大好きな人は、栗が特産品のコルシカを要チェック!そもそも、「あれ、コルシカってフランスだっけ」とあらためて気付いた人も少なくない?! 地図を見ると、イタリア寄りの地中海にぽっかりと浮かぶ大きな島。かつてはイタリア領やイギリス領であったこともありましたが、今は紛れもないフランスです。なお、日本でよく使われているコルシカという名称はイタリア語。フランス語では、コルスと呼ばれています。
コルシカは有名な英雄の出身地
とはいえ、コルシカのことをぜんぜん知らない人でも、コルシカ出身の有名人なら知っているはずですよ。何を隠そう、かのナポレオン・ボナパルトがコルシカで一番大きな都市、アジャクシオ生まれなのです。だから、「コルシカはフランスか?イタリアか?」と質問されたら、「フランス皇帝のナポレオンが生まれた島」と覚えておけば、簡単に答えられますね。パリからは飛行機で1時間半、と案外スムーズに行けてしまうコルシカは、山が多く険しい地形のおかげで、手つかずの自然がたっぷり残っています。畜産が盛んなので、ハムやテリーヌのような肉の加工品やチーズが人気。もちろん海に囲まれている島ですから海産物も豊富です。そして、コルシカの食を語るには絶対欠かせないのが、栗!毎年12月にコルシカで開かれる農業フェアが「栗の市」と呼ばれているほど、コルシカは栗を使った製品が豊富なのです。栗を粉末にして小麦粉のように使ってきた歴史があり、パンやパスタ、菓子のみならずビールの原料にまで栗が使われています。
特別な製造法のコルシカ産甘口ワイン
もちろんワインが大好きなフランスのこと、コルシカにもとっておきのワインがあるんです。たとえば、ミュスカ・デュ・カップ・コルスはコルシカを代表する甘口ワイン。ミュスカ種のぶどうは華やかな香りが特長で、「ぶどうジュースがワインへと変わる途中に、ブランデーを少量加えて醗酵を止める」という独特の方法で、ぶどうが持つ天然の甘味をキープしています。そんな甘味とコクとさわやかさを同時に味わえる特別なワインには、やはりコルシカつながりで栗を使ったスイーツを合わせたくなりますね。マロンクリームを家に常備しておくと、好みのアイスにマロンクリームをかけてクッキーを添えるだけで、ミニパフェの出来上がり。白玉やわらび餅とマロンクリームの組み合わせでは、あっという間に和風パフェへ。マロンクリームのパワーはすごい!
ところでコルシカでは辛口ワインも造られ、白、赤、ロゼとなんでも揃います。最近はロゼワイン・ブームのおかげもあり、コルシカ産ロゼが人気上昇中。辛口ロゼワインは軽やかなタンニンがあり、ほどよく口をさっぱりさせてくれます。ロゼワインのお供には、バゲットのスライスにマロンクリームとバターを塗った1品がオススメ。シンプルながら、甘じょっぱさとバゲットのクリスピーさのハーモニーが絶妙で、「休日のおやつ時間にロゼワインと」なんてシチュエーションには最適です。ほかにも、栗のクリームを使ったレシピはいろいろ紹介されています。ピンとくる料理が見つかったら、こちらもぜひトライしてみて。
Contributor
ワインライター