ピレネー山脈中央部で放牧されるAOP ビゴール黒豚は、有志が絶滅から救った希少な古代種です。自然な食事と適度な運動が、霜降り肉とその独特な味わいの秘密です。
知っておきたいこと
つややかな漆黒の毛並みに平らな耳…個性的な外観のビゴール黒豚は、ピレネー山脈中央部に固有の豚です。1980年代には、脂肪が多く生産性が低いため集約的な飼育ができないとされ、絶滅の危機に瀕していましたが、従来の環境のままに、伝統的な養豚方法とノウハウを守ろうとする養豚農家、豚肉加工業者、塩漬け肉製造業者らの復興運動によって復元されました。事実、ビゴール黒豚はガロ・ロマン時代から存在したことが証明されています。
原産の地で放牧飼育されるビゴール黒豚は、牧草・穀物(遺伝子組み換えでない)・地元の旬の果物(栗、リンゴ、びわ等)など、その土地の自然の恵みを餌として摂っています。こうした健康的な食生活と定期的な運動により、従来の豚肉よりも赤みが強く、霜降りの入った、抗酸化物質に富んだ上質な肉が得られます。
AOP ビゴール黒豚は、オート・ピレネー県、ピレネー・アトランティック県のいくつかの市町村、ジェール県およびオート・ガロンヌの一部からなる限定された地域で繁殖・飼育・(月齢12ヶ月以上で)屠殺された豚であることを保証しています。
特筆するべきこと
視覚的に
霜降り状の鮮やかな赤身。
味覚的に
とろけるようなジューシーな口当たり。栗の風味。
栄養面のメリット
抗酸化物質が豊富な AOP ビゴール黒豚には、オリーブオイルでお馴染みのオレイン酸やリノール酸といった良質な脂質が豊富に含まれており、心血管疾患やコレステロールを防止する役割を期待できます。
編集後記
« 1981 年には、雌豚34頭、雄豚2頭しか残っておらず、20軒の養豚家のもとに分散して飼育されていました。これほどの美食遺産が失われていたかと思うと!そのうえ、ビゴール黒豚の飼育は、森林や荒地など作物の栽培が困難な環境の有効活用になるのです。 »
とのペアリング
白ワイン:コート・ド・ガスコーニュ、ジュランソン・セック、パシュラン・デュ・ヴィック・ビル
赤ワイン:コート・ド・ベルジュラック、コート・ド・デュラス