ペリゴール産黒トリュフはフランス南部で採れ、トリュフの中で最も香り高いものです。テロワール(土壌・風土)、菌糸そして樹木の融合により生まれます。
知っておきたいこと
古代ではスパイスと共に食されていたトリュフが、料理に使われるようになったのはルネッサンス期に入ってからでした。その後19世紀末には、贅沢な食事の席には欠かせない逸品となりました。今日では、フランスがペリゴール産黒トリュフの世界の生産量の3分の2を占めており、その中ではヴォクリューズ県が一番の生産量を誇っています。
トリュフは地中に生えるキノコで、子嚢菌類です。トリュフは発生場所のそばの樹木と共生関係にあり、つまりそれぞれがお互いを利用します。トリュフは共生する樹木の糖分によって成長し、その菌は木の根の部分で活動して、土壌中の水分やミネラル塩を吸収する能力を倍増させるのです。とはいえトリュフが共生可能な樹木の種類は、ホルムオーク、ダウニーオーク、セイヨウハシバミ、セイヨウシナノキ、ヨーロッパグリなどに限られています。またトリュフは石灰質で痩せた、浅く水はけのよい土壌にのみ発生します。
人間は地表面下のトリュフの香りをとらえることができないため、収穫は嗅覚の鋭い豚、トリュフ犬(トリュフを探す訓練を受けた犬)、またはトリュフの近くに産卵する特定種のハエなどの動物を用いて行います。
特筆するべきこと
香り
視覚的に
味覚的に
栄養面のメリット
ビタミンB2、B3、B5、D、Kを多く含むものの、薬味として使われ、栄養価は低いです。
利用方法
保存
トリュフの香りは飛びやすいため、密閉容器に入れて冷蔵庫で保存します(湿気を避けるため、必要に応じてペーパータオルを一緒に入れます)。生米の中に入れておけば湿気も取れ、また米にトリュフの香りが移るので最適です。この香りの付いた米は付け合わせに使いましょう。半年から1年ほどの冷凍保存も可能です。
お召し上がり方
生のトリュフは使用の前に軽くブラシをかけ、マンドリンで薄切りにするかフォークで潰し、香りを立たせます。生のままでも火を通しても食べることができます。トリュフの缶詰は加熱調理用です。
味わい方
トリュフはシンプルな調理で最も美味しさが引き立ちます。バターを塗ったタルティーヌに薄切りにしたトリュフを乗せて、軽くフルール・ド・セル(大粒の天日塩)をかけましょう。
とのペアリング
塩味のものと:卵料理、ピューレ、ご飯、パスタ類に加えて、またAOPブリー・ド・モーとも合います。ニンニクと一緒に食べると、パルメザンチーズと同様トリュフの香りが一層引き立ちます。
甘いものと:パティシエのピエール・エルメはトリュフ味のアイスクリームを作りましたし、またトリュフ味のチョコレートもあります。
ワインと:トリュフの香りに負けないように、どちらかというと熟成ワインがよいでしょう。
白ワイン:AOCムルソー、アルザスリースリング、 AOC エルミタージュ白、AOCピュリニー・モンラッシェ
赤ワイン: AOCカオール、AOCポムロール